五階から大きな島が見える。

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『銀二貫』父を仇討ちで亡くした少年の半生

syakurenaと申します。

今日も顎がしゃくれております。

あいーん。

 

さて、今日紹介するのは

『銀二貫』

という歴史小説です!

 

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

 

 ↑ こういう表紙。

 

歴史小説というジャンルでネットで調べていると『面白い!』とのことだったので購入。

調べてみると以前、NHKの木曜時代劇で放送されていたようですね・・・!( ゚Д゚)

(原作の出版が7年前だしねぇ。)

 

銀二貫 [DVD]

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時は江戸時代、1778年(安永7年)。京都伏見。

寒天問屋・井川屋の主人である和助は、父を殺された武士がその相手を仇討ちをする現場を目撃してしまう。

和助は仇討ちを果たした武士に対し、「その仇討ちを銀二貫で買う」と提案する。

和助の持っていた銀二貫は本来、大火で消失した天満宮再建のための大金であった。

武士はその提案を受け入れ、和助は仇討ちを買う。

仇討ちをされた人物には、子どもがいた。名は鶴之輔。

和助は鶴之輔を引き取り、問屋の跡取りとして育てることにする・・・。

 

と、いう始まりです!

タイトルにもなっていて、作品全体でちょくちょく出ているこの『銀二貫』っておいくらなの?

調べてみますと・・・(Wikipediaごそごそ)

 

銀一貫=銀1,000匁(もんめ)

金一両=60匁 (もんめ)=現在の約13万円

江戸時代の「1両」の価値ってどれぐらいだった?(1) | お金の歴史雑学コラム | man@bowまなぼう

(↑金一両あたりの値段の参照)

銀二貫=銀2,000匁=金33.3両=約432.9万円

ほどだそうです。

(ただし、当時の金銭価値は激しく変動していたため、実際には何倍もの価値があった可能性あり。

そのため、1000万円以上もありえる・・・かも?)

 

ちなみに当時、金銭事情は

当時の大工さんの場合だと

収入が年に銀一貫と588匁(もんめ)、

支出が店賃、米代、調味料や木炭、道具、家具、交際費、合わせて年に銀一貫と514匁。

残り、74匁。

http://sirakawa.b.la9.jp/Coin/J004.htm(←これ参考にしました)

 

銀二貫の貯金を作るにはおよそ約27年!!!

いかに和助が大きな金額を武士に渡したのかが分かりますね。

 

和助は鶴之輔に商人としての新しい名前「松吉」を与える。

以後、松吉は元は武家生まれ、今後は商人として寒天問屋としての道を歩むこととなる・・・。

 

物語の詳細は「実際に読んでみてね!」という形にしたいと思います。

 

以下、読んでいる前提。

↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

この作品中では「商人の矜恃」というものが何度か出てきます。

商人にとって『暖簾への信頼は何よりも大切にしなければならない』、そう和助は松吉に語ります。

作中では、『丹後の天草』を用いた寒天を『伊豆の天草』を用いた寒天として高級料亭に料理として出されているシーン(所謂「産地偽装」)があります。

 

後にこの高級料亭はこの騒動をきっかけとして一気に衰退の一途をたどります。

現代でも通じることですよね。

 

この高級料亭の一連の騒動から、嘉平という人物が登場します。

嘉平はその高級料亭で板長を務めていました。

しかし、一連の騒動から職を辞めることとなります。

 

その後、屋号を『真帆家』として自分の店を持ちます。

松吉は嘉平と交流していくうち、和助の経営する寒天問屋、井川屋の売る”寒天”という商品の、素晴らしさを知ることとなります。

また、嘉平は「もっとコシの強い寒天があったらなぁ・・・。」と松吉に言います。

 

しかし、事件は起きます。

延享3年(1746)に大火が起き、嘉平が亡くなってしまうのです・・・。

 

この「コシの強い寒天」を巡って松吉が努力を重ねていく姿は、

ひたむきで、素敵だよなぁ・・・と思います。

 

良い読後感で、300p超とかなりの長編小説であるにも関わらず、

一気に読破してしまう、そんな読みやすくも人物の魅力にあふれた作品だと思いました。

 

それでは。(´∀`*)ノ